がん診療連携拠点病院とは、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、国に指定された病院のことです。
専門的ながん医療の提供、地域のがん診療の連携協力体制の構築、がん患者に対する相談支援及び情報提供等を行なっています。
病院を選択する場合は、まずはこのがん診療連携拠点病院か否かというのが一つの判断基準になります。
しかし、がん診療連携拠点病院でなければ絶対ダメかというと、必ずしもそうではありません。バリバリの専門医がいる病院であれば、専門医が一人もいない拠点病院より良い可能性があります。
また、がん診療連携拠点病院であればどこも同じかというと、これも必ずしもそうではありません。同じ連携拠点病院であっても、経験症例数・治療件数に違いもあれば、腫瘍内科医、放射線治療医、緩和ケアチームなどのバックアップ体制も違ってきます。
(地域がん診療病院については、実質的にはがん診療連携拠点病院の要件を満たしていないため、イシュランでは、これらの施設は特に何の表示もしないことにしております。)
がんゲノム医療は、一部が保険診療として、標準治療がないまたは終了したなどの条件を満たす場合に行われています。主にがんの組織を用いて多数の遺伝子を同時に調べる「がん遺伝子パネル検査」を行って、検査結果を基に効果が期待できる薬が見つかることがあります。がんゲノム医療を受けられる病院は「がんゲノム医療中核拠点病院」「がんゲノム医療拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」の3種類が指定されています。
「がんゲノム医療中核拠点病院」「がんゲノム医療拠点病院」は、
専門家が集まって遺伝子解析結果を検討する委員会(エキスパートパネル)を開催できるなどの基準を満たした病院です。中核拠点病院では、それに加えてがんゲノム情報に基づく診療や臨床研究・治験の実施、新薬等の研究開発、がんゲノム関連の人材育成等の分野において貢献するなどの基準も満たしています。
「がんゲノム医療連携病院」は、がんゲノム医療中核拠点病院またはがんゲノム医療拠点病院と連携してがんゲノム医療を行う病院です。
がんを治療するなら「がんセンター」と思われている方も少なくないでしょう。
確かに、がんセンターは各地でがん治療や研究の主導的な役割を果たしている施設が多く、治療のレベルは一般的に高いのですが、弱点もあります。
それは、「がんしか扱っていない」という点です。
がん治療を進めていく上では全身状態のチェックは欠かせませんし、持病に関わる科との連携が必要になる場面が時にあります。
特に、その持病である程度大きな病院にかかっており、その病院ががん診療連携拠点病院であるのなら、そこでがん治療も受けるのを第一選択として考えるのが良いと思われます。
お薬(抗がん剤)での治療がメインになってきますので、
薬物治療の専門家である腫瘍内科医や、緩和ケアチームのサポートがしっかりありそうな施設がより良いでしょう。
イシュランでは、腫瘍内科のエキスパート中のエキスパートである「がん薬物療法専門医」
もしくは「臨床腫瘍学会指導医」の資格を持つ医師をわかるようにしています。
また、緩和医療のエキスパートである「緩和医療暫定指導医」もしくは「緩和医療専門医」の有無もわかるようにしていますので、ご参考にしてください。
乳がんの治療は、「手術で取ったらオシマイ」とはなかなかなりません。
乳がんのタイプや進行度合いにもよりますが、手術後に放射線や薬による様々な治療を数年単位で継続して受けることが珍しくありません。
従って、職場でお仕事を続けながら加療される場合は、通勤の都合を考えて便利な場所を選ぶというのも大事な観点です。